第18回日本臨床環境医学会学術集会
合同開催:第54回日本産業衛生学会・アレルギー免疫毒性研究会

会期:2009年7月3日(金)〜4日(土)
会場:さん太ホール(山陽新聞社本社ビル:岡山市)
会長:川崎医科大学衛生学 大槻剛巳

     


   

環境は今の時代を語る重要なキーワードになっています。2008年の本学会学術集会の行われた北海道洞爺湖で,学術集会直後に実施された洞爺湖サミットでも,地球温暖化対策はその議題の最重要な位置に据えられていました。人の経済活動や生活の利便性の追及の中から,例えば学会に参加するのもデジタル媒体で準備することが出来るようになり,私が大学院の時代に発表の準備で,ロットリング社の製図用のペンを使って図を作り,写真にとって,スライドを依頼したことなど,今や郷愁でしかありません。しかし,そのような発展の中で,環境が健康を脅かす事例が多く出現してきました。公害事例は云うに及ばず,昨今話題のアスベスト問題も経済効率を考えたその使用が30年,40年という潜伏期を経て悪性腫瘍の発生を見るという事態を招いてしまっています。また,本学会が中心的に取り組んでいますシックハウス症候群や化学物質過敏症も,まさに環境からの健康被害と捉えなければなりません。

そこで今回のテーマは「創造―笑顔の未来へ」とさせていただきコンセプトとしては笑顔満開の子供達が,将来にわたってその笑顔を絶やすことの無い様にとの祈りを込めて実施することに致しました。しかし,実際のプログラムとしましては,現在,環境と健康という観点の中で,神経〜内分泌〜免疫ネットワークへの統合的な影響が問題視され,シックハウス症候群や化学物質過敏症でもこの視点が重要になります。そこで,特別講演では免疫アレルギーの基礎科学を,シンポジウムではストレス科学を取り上げ,専門の講師の先生方の最先端のご報告を頂く予定にしております。また二日目午後の市民講座では上記の環境からの健康被害ということでアスベスト問題を取り上げさせていただきます。

なお,会期全体にわたって「第54回日本産業衛生学会・アレルギー免疫毒性研究会」との合同開催とし,また,市民講座は私が代表を務めております科学技術振興調整費「アスベスト関連疾患への総括的取り組み」班の共催という形に致します。

初夏の吉備路は,波頭眩しい瀬戸の海と,古墳群に彩られた歴史ロマン,そしてフルーツ王国として白桃やマスカットなどの美味三昧と楽しみも一杯です。是非,多くの会員の方に,そして会員外の方もお誘いあわせの上,ご参加いただけましたら幸いです。よろしくお願い申し上げます。